水産食品加工卸業:債務超過2億5千万円からの再生

会社所在地 | 広島県西部 |
---|---|
業種 | 水産食品加工卸 |
お名前 | 匿名 |
資本金 | 1,000万円 |
年商 | 3億5千万円 |
従業員 | 社員8名、パート15名 |
目次
~資金繰り相談で乗り越えた水産加工業の債務超過ストーリー~
借金に追われる日々:水産加工会社社長の苦悩
広島県で水産食品の加工卸事業を営む田中社長(仮名)は、創業以来コツコツ事業を育ててきました。しかし、ある時期から原材料価格の高騰や設備投資の負担が重なり、会社の資金繰りが急激に悪化してしまいます。過去の借入金の返済が経営を圧迫し、ついには債務超過(借金が資産を上回る状態)に陥ってしまいました。毎月、新たな借入で他の銀行への返済を穴埋めする自転車操業が続き、会社の将来に不安が募るばかりでした。
田中社長は「このままでは会社が潰れてしまう」と夜も眠れない日々を過ごします。取引銀行からも「これ以上の追加融資は難しい」と告げられ、八方塞がりの状態でした。身内にも社員にも弱音を吐けず、相談相手がいない孤独な闘いが続きました。
救いの糸:経営相談との出会い
そんな追い詰められた状況の中、頼りになったのは社長の息子さんでした。経理を引き継いだ息子さんは会社の実情を把握し、「専門家に資金繰り相談をしてみよう」と提案します。半信半疑の田中社長でしたが、背に腹は代えられません。インターネットで調べ、事業再生支援の実績が豊富な経営コンサルタントに思い切って問い合わせてみることにしました。
運良く、そのコンサルタント会社では無料相談を受け付けており、田中社長親子は藁にもすがる思いで相談会に参加しました。親しみやすい担当者が親身になって話を聞いてくれ、「このまま諦めるのは早いですよ。一緒に再建への道筋を考えましょう」と温かい言葉を掛けてくれました。初めて第三者に会社の状況を打ち明けた田中社長は、涙が出るほどホッとしたと言います。
事業再生コンサルティングによる再建プラン
経営コンサルタントとの事業再生コンサルティングが本格的にスタートしました。まず取り組んだのは、会社の財務状況を徹底的に洗い出すことです。帳簿や試算表を細かく調べてもらった結果、毎月約200万円もの営業赤字を計上し、年間では1,300万円近い利息支払いが発生している深刻な状況であることが判明しました。さらに、社長個人も自宅マンションのローンなどで多額の借金を抱えており、会社も個人も完全に債務超過の状態だったのです。このままでは「来月の支払いにも事欠く」ほど資金繰りが逼迫していることが明らかになりました。
コンサルタントは田中社長に現状を丁寧に説明し、「早急に手を打てば再生の可能性はあります。一緒にやっていきましょう」と力強く励ましてくれました。こうして、具体的な再建プランの策定が始まりました。
資金繰り改善策の実行: まず最初に着手したのは、資金繰りを楽にするための緊急対策です。複数の取引金融機関に対して返済条件の緩和(リスケジュール)を交渉し、一時的に元本返済を猶予してもらうよう依頼しました。以前は返済に追われるあまり、決算書を粉飾して無理に融資を受けていたため交渉は簡単ではありませんでしたが、コンサルタントが作成した綿密な経営改善計画書を携え、何度も銀行に足を運びます。約半年にわたる粘り強い交渉の末、最終的にはすべての金融機関から返済猶予(リスケ)の了承を取り付けることに成功しました。その結果、月々の借入金元本の支払い約480万円(会社分と社長個人分)を止めることができ、年間で約4,800万円ものキャッシュフロー改善効果が生まれました。
経費削減と収益改善: 資金繰りのメドが立ったところで、次は根本的な収支改善に取り組みます。田中社長はコンサルタントの指導のもと、会社のあらゆるコストを見直しました。具体的には:
- 滞留在庫の整理:商品化できず倉庫に眠っていた原材料や製品を思い切って廃棄処分し、無駄な保管コストを削減しました(保管料を月40万円から3万円へ圧縮)。
- 不採算事業からの撤退:赤字が続いていたネット通販事業から潔く撤退し、その分の販促費用(月約25万円)もゼロに削減しました。
- 原価管理の見直し:原材料の仕入れ先や仕入れ量を見直し、適正在庫の管理を徹底することで原価率を改善し、無駄な廃棄やロスを減らしました。
- 経費の徹底見直し:保険料や積立金など固定費を洗い出し、必要性の低い支出はカット。社員に支給していたガソリンカードの利用状況も精査し、不適切な利用がないかチェックしました。
- 人員コストの適正化:残念ながらやる気の見られない一部社員には退職してもらい、人件費(月約30万円)の削減につなげました。また、社長個人が所有していた赤字経営の賃貸アパートも売却し、そのローンを完済することで個人の債務負担も軽減しました。
これらの施策により、年間で約4,000万円もの経費削減と収支改善に成功しました。結果、長年続いていた営業赤字は解消し、なんと約10年ぶりに営業黒字を計上するまでに至ったのです。資金繰りも大幅に改善され、会社の現預金残高は着実に増えていきました。
再生の成功と未来への希望
債務超過に苦しんでいた水産加工会社は、こうして見事に再生への道を歩み始めました。返済猶予の間に立て直した経営により、その後は売上も徐々に回復し、現在では年間1,200万円の営業黒字を確保できるまでになっています。金融機関にも毎年少しずつ元本を返済し、借入金の残高は着実に減少。銀行からの信頼も取り戻しつつあり、今では将来への明るい見通しが立つようになりました。
田中社長は「あの時、思い切って経営相談をして本当に良かった。自分一人では到底乗り越えられなかった」と当時を振り返ります。家族や社員の生活を守るために決断した資金繰り相談が、会社存続のカギとなったのです。専門家の力を借りて計画的に対策を講じれば、どんなに厳しい状況からでも活路を見いだせることを、この経験が教えてくれました。
もし今、あなたの会社が資金繰り悪化や債務超過など経営の悩みを抱えているなら、一人で悩まずにご相談ください。 経験豊富な経営コンサルタントが状況を丁寧にお伺いし、最適な解決策をご提案いたします。弊社では初回のご相談は無料です。資金繰りや経営改善に関する無料相談を随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたの会社の再生への第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?
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