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黒字なのになぜ資金繰りが苦しい?その原因と今すぐできる対策

2025.02.27

経営相談、資金繰り相談、事業再生、経営コンサルタント

「利益は出ているのに手元にお金がない」――中小企業の経営者であれば、一度はこのような 勘定あって銭足らず の状況に頭を抱えたことがあるかもしれません。帳簿上は黒字(利益計上)なのに資金繰りが苦しくなる現象は「黒字倒産」とも呼ばれ、実は珍しくありません。東京商工リサーチの調査によれば、2020年に倒産した企業のうち約半数(46.8%)は黒字決算の企業でした​。

つまり、利益が出ていても資金繰り次第では倒産の危機に陥り得るのです。本記事では、黒字なのに資金繰りが苦しくなる原因と、その改善のために今すぐできる実践的対策を解説します。

黒字経営でも手元資金不足に陥る企業は少なくありません。資金繰りの基本を押さえ、早めに対策を打ちましょう。

資金繰りが苦しくなる主な原因

まずは、黒字経営にも関わらず資金繰りが悪化する典型的な原因を押さえておきましょう。利益と現金の流れにはズレが生じるため、以下のような要因で「利益はあるのにお金が足りない」事態が起こります​。

  • 売掛金の未回収や回収遅れ: 企業間取引では、商品やサービスを納品しても実際の入金が数カ月後になることが珍しくありません​
    帳簿上は売上計上され利益が出ていても、売掛金が回収され現金化されるまで資金は増えません
    取引先の倒産などで売掛金が回収不能になれば、一気に資金繰りが悪化します。
  • 過剰な在庫(滞留在庫): 売れる見込み以上に在庫を抱えると、商品が現金化されるまで資金が寝てしまいます。在庫には保管コストもかかり、売れ残れば損失にもなります​
    在庫が過剰だと資金繰りに負担がかかるため、適正在庫を超える仕入は黒字倒産の原因になりがちです。
  • 無理な設備投資や拡大: 将来の成長を見越して設備投資や事業拡大を行うこと自体は必要ですが、投資額が大きいと回収まで時間がかかり、その間資金繰りを圧迫します​
    十分な手元資金がないまま設備導入や新規事業に踏み切ると、利益計上していてもキャッシュ不足に陥るリスクがあります。
  • 借入金返済・納税負担の増大: 利益が出れば法人税等の納税額も増えますし、過去の借入金の元本返済も発生します。税金や借入返済は損益計算書上の費用ではないため利益には影響しませんが、実際には現金支出となります​
    利益=手元資金ではない典型例であり、黒字決算でも資金不足に陥る一因です。

以上のように、「黒字なのに資金が足りない」背景には収益と現金収支のタイミング差があります。特に中小企業では、急成長に伴って売掛金や在庫が急増し資金繰りが追い付かなくなるケースも多く報告されています​。

では、資金繰り悪化の兆候を感じたとき、具体的にどのような対策を取ればよいのでしょうか。次に、経営者が今すぐ実践できる資金繰り改善策を紹介します。

資金繰りを改善するための今すぐできる対策

資金繰りの悪化を放置すると、最終的には資金ショート(支払い不能)に陥りかねません。そうなる前に、経営者(場合によっては経営を支える社長夫人の方も)として以下の対策を早急に検討・実行しましょう​

  1. 資金繰りの現状「見える化」 – まずは手元資金と今後の入出金予定を把握することが第一歩です​

    いつ、どこから、いくら入金があり、いつ何の支払いが発生するのか、日単位で洗い出してみましょう。エクセルなどで簡単に作成できる「資金繰り表」を活用し、向こう数ヶ月の資金推移を見える化することで、不足しそうなタイミングが明確になります​

    資金繰り表の作成により突然の資金ショートを予防できることは、多くの専門家が指摘するところです​

  2. 売掛金の早期現金化(請求管理と回収徹底) – 売上代金の入金サイクルを早める工夫をします。請求漏れがないか確認し、入金遅延があれば督促することが基本です

    自社での回収が難しい場合は、ファクタリングの利用も検討しましょう。ファクタリングとは、売掛金を期日より前に現金化するサービスで、申し込みから最短即日で資金化できるケースもあります

    手数料はかかるものの、取引先の経営状況さえ良好であれば自社の業績に関わらず資金調達できる点で有効です​また、手形取引をしている場合は手形割引の活用により同様に早期資金化が可能です​

    これらの手段を活用して、売上債権をできるだけ早く現金に換えることが資金繰り改善のカギとなります。

  3. 支払い条件の調整交渉(支払いサイトの延長) – 資金流出を遅らせる工夫も並行して行います。仕入先や取引先に協力を仰ぎ、支払い期日の延長や分割払いへの変更を交渉してみましょう​

    例えば「月末払いを翌月末払いにしてもらえないか」「一括支払いを数回の分割にできないか」等、資金繰りが苦しい状況であることを誠意を持って伝え、具体的な支払計画を提示します​

    ただし、こうした依頼は取引先との信頼関係に影響する可能性もあります。約束通りに支払う意思と計画を示し、あくまで緊急措置であることを説明するなど、細心の注意を払って交渉しましょう。

  4. 過剰在庫の売却・現金化 – 倉庫に眠っている在庫は文字通りお金が眠っているのと同じです。在庫が多すぎる場合は、セールや在庫一掃セール、まとめ買い割引などで できるだけ早く販売し現金化 することを検討します​

    併せて、今後は発注量を適正化し、在庫の適正在庫水準を見極めることが重要です。適切な在庫管理を徹底することで、無駄な出費や保管コストを減らし、資金繰りの改善につなげましょう​。在庫処分で一時的に資金を確保しつつ、過剰在庫を抱えない経営体質への転換を図ることが大切です。

  5. 経費の見直し(コスト削減) – 出て行くお金を減らすことも資金繰り改善には有効です。まずは販売管理費や一般管理費など固定費を中心に無駄な支出がないか洗い出しましょう​

    例えば、仕入原価の見直しや人件費の抑制、オフィスの家賃交渉やサブスクサービスの解約など、削減できるコストはないか検討します。損益計算書を分析すると経費の内訳が見えるので、一つひとつチェックしてみてください​

    小さな削減でも積み重ねれば資金繰りの余裕につながります。削減できた分の資金は、他の重要な支払いに回すか、手元資金として蓄えておきましょう。

  6. 新たな資金調達の活用 – 自助努力だけでは追いつかない場合、外部からの資金調達も視野に入れます。代表的なのは銀行からの融資(ビジネスローン含む)ですが、融資審査には時間がかかるため早めに打診する必要があります​

    日本政策金融公庫や信用保証協会付き融資など中小企業向けの制度を調べてみましょう。また、自治体の緊急支援策や補助金・助成金の活用も一案です​

    さらに、遊休資産がある場合は売却やリースバックによる資金化も検討できます​不動産や機械設備を一時売却し、リース料を払いながら使い続ける方法(リースバック)は、資産を手放さずに資金調達する手段として有効です​

    自社の状況に応じて最適な資金調達策を選び、資金繰りの穴を埋めましょう。

以上の対策を講じることで、黒字倒産に直結するような深刻な資金ショートを回避できる可能性が高まります。​

資金ショートを防ぐには平時から入出金タイミングの管理と資金確保が何より重要です。今回紹介した施策はどれも即効性がありますが、根本的には日頃からキャッシュフローを意識した経営体質づくり(キャッシュフロー経営の推進)が欠かせません​

もし「それでも資金繰りが厳しい」「自社だけでは対応しきれない」という場合は、早めに専門家に相談することも検討しましょう。金融機関や公的機関の資金繰り相談窓口を利用したり、経営コンサルタントや税理士に経営相談してアドバイスをもらうのも有効です。状況によっては事業再生のプロの力を借りることで、リスケジュール(返済猶予)や追加融資といった支援策につなげられるケースもあります。大事なのは、黒字だからと安心せず資金繰りの悪化兆候を見逃さないこと、そして手遅れになる前に適切な手当てを打つことです。資金繰りの健全化に向けた一歩を、ぜひ今日から実践してみてください。

参考資料:

 

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